
INTERIORS客室・インテリア

すべては(創造的な)細部に宿る:
建築家が設計したベッドから
世界的な現代アート・コレクションまで。
またコンセプトのひとつとして、ホテル中で貫かれているのがシンプルさです。照明器具から特注の家具、ミニマルな金属のドアハンドル、目立たないコンセントに至るまで、この一貫性は坂氏がすべての細部におけるデザインに携わった賜物なのです。
そして、自然との共存も大切なポイントです。自然光に溢れた館内に足を踏み入れると、洗練を極めたクリーンな構造が、杉の木の温もりや、四季折々の風景画のような窓外の樹々と融合する心地よい空間が広がります。また坂 茂建築のシグネチャーである紙素材が随所に活かされ、エレガントな紙管と樺の合板の「カルタ」シリーズの椅子、特注ベッドの紙管ヘッドボード、紙管のアメニティカート、そして円形の「紙のタリアセン」照明器具などの家具として、優雅なミニマリズムが表現されています。
客室ではゆったりとリラックスしていただけることでしょう。10室の客室は天然の木材に包まれ、高い天井やシンプルな家具、プライベート・バルコニーやガーデンを備えた、瞑想的な安息のスペースです。
建物の曲線構造に沿って窓の下にはデスクが配され、インダストリアル・スタイルの照明、特注の白いベッドリネンやタオル類は最高級ブランドの「Ploh(プロー)」がセレクトされています。
リラクゼーションの方法は限りなく、樹々に囲まれたバルコニーでの読書や、窓辺のバスタブに浸かるのも至福のひととき。客室は3つのユニットに分かれており、それぞれにリビング・ルームと簡易キッチン付き。そして一つのドアが、中央のグランド・ルームへと直結しています。
「ソーシャル・ホスピタリティ」は、ししいわハウスに織り込まれたテーマです。ホテル中心部のグランド・ルームはその象徴で、自然光溢れる半円形のスペースには暖炉や季節の装花、大きなダイニングテーブルとともに、杉本博司の写真作品なども配されています。
「ライブラリー」は静かな隠れ家のよう。ゲストはここで、軽井沢の貴重なウイスキーと豊富な美術・建築関連の書物(ヴィンテージのヒーローものDCコミック本も)をお楽しみいただけます。
館内の至るところで堪能できるのが、世界的な現代アートと工芸品のコレクションです。例えば、ギュンター・フォルグによる大胆な幾何学的絵画から、世紀を超えた究極の日本の茶碗コレクションまで、至宝の作品がこの建築デザインをクリエイティブに彩っています。